Lowsalt:デジタル減塩

デジタル減塩は、デジタル・アディクションへの応答を日本的な「減塩」の感覚から捉え直す運動である。塩分の多い食事が身体に負担をかけるように、刺激が強すぎるインターネットも、目や耳を通じて神経に負担をかける。
このプロジェクトでは、銭湯のように西欧的なプライバシーとは異なる公共性のルーツを持つ日本文化を参照しながら、プライバシーをただ守るものではなく、自分の生活を整えるために管理・活用する資産として捉え直し、インターネット上の「面白すぎる」要素を控えめにするサービスや実験的な仕組みを提示する。
詳細 →Sheetboxing:ボクシングのための書き言葉

Sheetboxingは、楽譜と音楽理論を転用したボクシングのための書き言葉で、「拳譜(けんぷ)」と呼ばれる記譜法を基盤としたプロトコルである。パンチ、防御、ステップ、距離、そして対戦者同士の戦術的な関係を、拳譜として配置された記号へと変換することで、ボクシングを身体的な動作から切り離して読むことを可能にする。
言語化されない身体知は、直接そのものとして保存されず、情報化されることもないため、蓄積されないまま取り残されていく。Sheetboxingは、ボクシングを言語化・情報化する前段階の準備行為として、まず記述可能にすることで、戦術的側面と身体的な学習のための記号的インフラをつくり出す。
詳細 →Motifique:からだ de スケッチ

からだdeスケッチは、花や樹木、石など自然の中にあるものをモチーフとして観察し、それを自分の身体を使って表現する遊びであり、身体を用いたプロトコルの実践である。参加者は、樹木の観察して、それを短いポーズや動作へと変換する。
この活動を通じて、プロトコルが単純であるほど、文化的な差異を超える普遍性を持ち得て、新しい関わりを生み出せるのではないかという仮説を実地で検証する。
詳細 →日本語SVO

「日本人は英語が苦手」あるいは「外国語としての日本語の習得は難解すぎる」といった問題意識から知られるように、SOV型の日本語とSVO型の英語の間には、生身の脳には簡単にまたぐことのできない構造的な距離が横たわっている。日本語SVOプロジェクトは、人工言語の設計と実践によって両言語構造の妥結点を探る試みである。
外国語学習をすることは、発音、語彙、語順の3つの困難を同時に取り扱うことを意味する。日本語SVOでは、日本語の語彙はそのまま使って語順だけを英語型のSVO構造へと再編成した独自の人工言語としてのプロトコルを考案することで、これら3つのうち語順の困難だけを独立に取り出して話者に実感させる。
詳細 →Matcha:法的推論の形式言語

Matchaは、法的推論における思考の構造を、自然言語ではなく形式言語として記述するための試みである。
このプロジェクトでは、法律答案を書く前の「答案構成」を、プログラミングにおけるコードのように扱う。起案者は、問題文から抽出した事実や論点をもとに、Matchaの構文によって法的推論を記述する。その記述は、人間が思考を整理するための記法としてのプロトコルであると同時に、ソフトウェアによって解析・生成・評価されうるデータフォーマットとしてのプロトコルでもある。
詳細 →マダガスカルを抱いて寝る

地図上のマダガスカルの二次元的な輪郭を、人が抱きしめられる程度の大きさの三次元的なオブジェクトへと変換する。地図上の図像を、実際に抱きしめて、あるいはその下敷きになって重みを感じることができる立体として作り直すことで、地図を身体的に経験できるようになる。
この実践は、意図的に誤った仮説から出発している。すなわち、地図とは単なる平面的な表象ではなく、隠された三次元的な立体の投影なのではないか、という仮説である。この実践における制作は「地図を不定積分する」試みであり、地図と実体の直線的なつながりを解体する。
詳細 →Bio
Hana Fusaは、ポストインターネット時代の日本のソフトウェアエンジニア出身のプロトコルアーティストである。
15年間の思弁的なウェブサービスの制作を経て、アートが社会と関わること の本質はアートが社会に対して仕組みを提示する点にあるという立場から、socially engaged artを批判的に再構成し、「プロトコルアート」を提唱する。
1989年 大阪で生まれる
2009年 東京大学文科三類、入学(2013年、退学)
2013年 NPO法人マナビー設立(2017年、閉鎖)
2017年 株式会社デジタルデトックス設立(2025年、閉鎖)
2026年 プロトコルアーティストとして活動を始める
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